谁的椅子？（1968）

ある高校に英語教師の沢村恵子(吉永小百合)が赴任してきました。校長の宮川女史（北林谷栄）は校内を案内して廻りましたが、その時三年Ａ組では、国語教師菅原謙一(渡哲也)が「母と息子」をテーマに生徒たちとディスカッションの最中でした。ところが、テーマは結婚、恋愛にまで発展し、やがて恵子の身上調査へと波及してしまいました。この型破りな授業参観を見ていた恵子は、菅原の純朴な人柄に惹かれてしまいました。その日恵子と菅原はお寺の境内で、菅原の教え子金沢正雄(永井秀和)の言い争う声を聞きました。その場は、菅原の仲裁でおさまったものの、正雄の受けたショックは大きいものでした。それから二ヵ月。菅原は、恵子をたま子(坪内美詠子)の経営する小料理屋「まさご」に誘いました。そして事実を知って悩む正雄をなだめるのでした。そんな折、正雄は信子から夕食に招待され、心の痛手は消え去ってしまいました。ある日恵子は宮川女史に呼ばれて、彼女の家を訪れました。ところが、それは女史が甥の次郎(杉良太郎)に恵子を会わすためだったのでした。翌日学校に次郎が入院したという知らせが入りました。昨晩、彼は恵子を送った帰りに、暴漢に襲われたということでした。恵子は早速見舞いに行きました。やがて、次郎の全快祝のパーティが開かれました。恵子が正式にプロポーズされたのは、それから数日後のことだっました。やがて恵子と次郎の、挙式がおこなわれました。菅原が憤然と立上ったのはその時でした。菅原は恵子に愛を告白しました。恵子は菅原の言葉を聞いた途端に心を決めました。